2019年12月カラヴァッジョ展(名古屋市美術館)

昨年(2018年)12月スペイン・マドリード旅行でプラド美術館とソフィア王妃芸術センターにてたくさんの絵画を観る機会があり、美術館での絵画鑑賞もいいもんじゃんと50歳半ばにして芸術に目覚めまして、

今年に入ってから、大塚国際美術館(徳島県)、ハプスブルク展(国立西洋美術館)、ミイラ展(国立科学博物館)とそこそこゲージツに慣れ親しんでまいりました。

ここのところ名古屋に「カラヴァッジョ展」が来たと新聞・雑誌・ポスターなどで大々的に宣伝されていました。カラヴァッジョなんて名前聞いたこともないし、ポスターを見ても見慣れた絵ではないし、生々しくて怖そうだから本当はあまり興味もなかったんだけど、私の好きなルーベンス大先生も影響を受けたとかいうエピを読んだりして、まぁとりあえず近いから行ってくるかと。

以下、素人の聞きかじりです。いろいろ間違ってたらゴメンね。

カラヴァッジョとは

人となり

私はカラヴァッジョなるイタリア画家のことは全く知りませんでしたが、既存の絵画の常識を打ち破りバロック芸術の扉を開き、後の芸術家に多大なる影響を与えた天才画家だそうです。絵の出来栄えが素晴らしいため超売れっ子でお金に困ることはなかったのですが、超破天荒な問題児で一心不乱に絵筆をふるったかと思えば、剣を持って盛り場で大暴れして逮捕されること数度。果てはケンカで相手を殺めてしまい、教皇から死刑宣告されローマから逃亡の日々。逃亡先でも絵は大人気で売れに売れたらしいよ。ローマへ回帰することを夢見ていましたが結局38歳の若さで熱病のため死亡したんだって。お近づきにはなりたくはないけど、お話としてはドラマチックで面白い人生ですね。

画風

画面上の出来事がまるで眼前で実際に起きているかのような臨場感を醸し出す幾つもの新手法。特に重要なのは光と影のコントラストを画面構成上の大きな要素に据えたこと、リアルな写実的描写を徹底したことです。併せて巧妙な明暗法を駆使することで、絵の中の事物がこちらに突き出ているように見せる「突出効果」に注目したいところです。

『日経おとなのOFF 2019年絶対に見逃せない美術展』カラヴァッチョの濃すぎる人生 より抜粋

概要

16世紀末、ローマに現れた天才画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。圧倒的な描写力、強烈な明暗、観る者を引き込む生々しさ……。それまでの絵画の規範(きまりごと)を打ち破り、大変革をもたらしました。彼こそ、17世紀バロック絵画の幕開けを告げる革命児(パイオニア)だったのです。(中略)本展では、イタリア国内の所蔵作品を中心に、10点あまりのカラヴァッジョ作品(帰属作品含む)に同時代の画家たちを加え約40点の傑作・秀作を公開します。激情と苦難に彩られながら、新時代の潮流を導いたカラヴァッジョの芸術の輝きをご覧ください。公式カラヴァッジョ展HPより抜粋

展覧会名

カラヴァッジョ展

会場

名古屋市美術館(名古屋市中区栄2-17-25 芸術と科学の杜・白川公園内)

会期

2019年10月26日(土)~12月15日(日)

開館時間

午前9時30分~午後5時、金曜日は午後8時まで 11月2日(土)・3日(日)は特別夜間開館で午後8時まで(入館は閉館の30分前まで)

休館日

毎週月曜日(11月4日(月・休)は開館)、11月5日(火)

観覧料

一般 1,600円

高大生 1,000円

中学生以下 無料

音声ガイド

600円 解説件数21件 解説時間35分

ナレーションは俳優の田辺誠一さん

映像上映

カラヴァッジョの人生と画風の二種類の映像が大画面でエンドレス上映されています。1本5分くらいだったかな。座席もありゆっくり鑑賞出来ます。とても分かりやすくてよかったです。

混雑度

12月初めの平日に10時頃来館。チケット売り場・入場口ともに待ち時間はなくスイスイでした。館内はそれなりにお客さん(9割方名古屋マダム)がいましたが中は広いので混雑というほどではなくゆっくり鑑賞出来ました。

作品

ほぼ予備知識もなく訪れましたが、作品の一枚一枚にかなり衝撃を受けました。絵がまるで写真のよう、、、というのでは言葉が足りないわ。写真よりももっと写実的というか立体的、光と闇のコントラストでまるで3Dみたいな、いやいやこれもちょっと違うな、、、とにかく絵が飛び出してくるようなこちらに迫ってくるような迫力のあるものばかり。目の前で演劇を見ているかのような臨場感がありますね。題材も切ったばかりの首を持っていたり、今まさに首を切っていたり、ヘビ頭の生首の盾だったり、歯をペンチで抜いて流血だったり、、、と血みどろのもの満載。怖いけど、面白かったわ。満足。

カラヴァッチョ展はロビー以外撮影禁止です。以下の画像は絵はがきを撮影しました。

ゴリアテの首をもつダヴィデ(ボルゲーゼ美術館)名古屋会場でのみ公開 ゴリアテはカラヴァッジョの自画像で、首を持つダヴィデも若き日のカラヴァッジョであると言われています。首を取って勝利したはずのダヴィデが物憂げな表情なのは自分で自分を殺したから?ゴリアテの口には唾液がきらきら光っていてリアル過ぎて怖いよ。ダヴィデの持つ剣にはラテン語で「謙遜は傲慢を殺す」と書いてあるそうです。カラヴァッジョは首を切る瞬間や切り落とされた首の絵を多く描いたそうです。右側下に変な影が入ってしまってすみません。

洗礼者ヨハネ(ボルゲーゼ美術館) ヨルダン川でイエスに洗礼を授けたヨハネは髭もじゃ長髪、達観した表情、、、のような外観で描かれることが多いかと思いますが、このヨハネは今でも十分アイドルとして通用しそうな若い美しい青年に描かれていますね。ちょっと堂珍くんに似てるわと思ってしまった。この絵画が怖くないし美しいから今回の展覧会でいちばん好きかな。

法悦のマグダラのマリア(個人蔵) 天を仰いで恍惚の表情を見せるマグダラのマリア。何かエロいことを考えているのかしら?と俗な私は考えてしまいましたが、神の庇護を受けたことに喜びを感じている場面だそうです。失礼いたしました。斬新な聖女の描き方に人々は驚愕し熱狂し20点もの複製画が作られたそうです。この頃、人気のある絵画の複製は本人、本人以外の手によってたくさん作られ、高い対価で取引されたそうです。

リュート弾き(個人蔵) 水をたたえたガラスの花瓶が本当に写真いや映像のようにガラスに見えるのよ。花に付いた水滴も本当に水なのよ。透明なものをどうやって絵の具で描くのかしら。リュート弾きの女性の肌の美しさ、瞳のきらきらした輝きもリアルでした。

メドゥーサの盾(個人蔵) 首を切られても頭に生えているヘビたちはまだ生きていてうねうね動いていたんだって。怖いよ~~~。メドゥーサを肉眼で見ると石に変えられちゃうので、ペルセウスは盾にメドゥーサの姿を映して首を討ち取ったのよ。だからこの絵は盾(お祭り用のミニサイズ)にキャンバスを貼りつけて描いたんですって。メドゥーサの表情もヘビも滴る血もこわい、こわい。

この他、歯をペンチで抜いている場面で口から流血しているのを周りの人々が興味津々でガン見している絵(歯を抜く人)とか、切断された首から血が滴り落ちてその血が小瓶に溜まっている絵(聖アガピトゥスの殉教)とかね、、、その他いっぱい怖い絵ばっかりでした。でも意外と怖くなくて楽しかったわ。

ショップ

いつもは絵はがきやクリアファイルなどを買うのを楽しみにしていますが、血みどろ、生首が多かったのであまり購買意欲がわきませんね。テルマエロマエのヤマザキマリさんのイラストのカラヴァッジョさんがイケおじ風で素敵でした。

パンフレットと入場券

カラヴァッジョ展パンフレット このゴリアテの首を持つダヴィデの絵画は名古屋会場のみでの展示なので、パンフレットやポスターはこれが使われていることが多いみたい。

カラヴァッジョ展チケット。このチケットで常設展の入場も出来ます。

感想

題材は暗いものが多いし血みどろだし生々しいしで怖い絵が多そうだなとあまり興味もなく訪問しましたが、カラヴァッジョ自身の人生も興味深いし、まるで演劇を見ているかのような悲鳴が聞こえてくるかのような臨場感あふれる絵画がいっぱいですごく面白かったです。音声ガイドがとても分かりやすい説明でよかったです。おすすめ。

何ごとも食わず嫌いはいけないね。これからもいろいろな展覧会を観てみようと思いました。

名古屋市美術館常設展

カラヴァッジョ展のチケットで常設展にも入れます。常設展はワンフロアでそれほど広くなく点数も国立西洋美術館などと比べるとかなり少な目ですが、モディリアーニ、マリーローランサン、シャガール、パスキンなど有名画家の絵画もありますよ。エコールド・パリ、メキシコ・ルネッサンス、現代の美術、郷土の美術の4つのコーナーに分かれて展示されています。

毎日11時と14時にガイドツアーがあり無料で参加出来ます。私も途中参加させてもらいました。いろいろ興味深いお話が聞けておすすめですよ。

ロビー以外は写真撮影は禁止です。

ロビーの大きな物体 ニューヨークの実在するウールワース・ビルディング。米コイン模様の龍は庶民から小銭を吸い上げて巨大な財をなした象徴なんですって。窓から人がのぞいていたり面白い仕掛けもたくさん。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。みむろ(了)

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